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NINJA
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話題性の高いモノから言うと「骨折のリスクを高める」というものだ。しかしPPIが骨密度の低下を来たさないことが証明され、さらに論文そのものの検討の仕方には大きな誤りがあって、確かに「骨折のリスクを高める」なんてのはマスコミが「薬害だ」と飛びつきやすい結論ではあるが、この原稿を書いている2010年12月現在は「骨折のリスクは高めない」となっている。

御老体にも安心して内服していただけることとなった。他に「肺炎のリスクを高める」ってのもあるが、同様に検討法の誤りという理由でポシャった。

一方、関連性が濃厚な問題点としては「下痢」と「腸管感染症」。まず「下痢」から。長時間において胃酸を押さえ込んでいると人体は「胃酸が足りない、分泌させよう」と認識して胃酸分泌を高めるホルモンを過剰に分泌する。イーリーシン

そのホルモンは腸の動きを活発にさせる作用をも持つので、過剰なホルモン分泌は下痢を誘発してしまう。水下痢になることも。最近のPPIと下痢の関係の研究では、PPIが“Collagenous Colitis”という病態を引き起こして水下痢を起こす場合があるということがトピックスになっている。いずれの病態もPPIを中止すると速やかに下痢はおさまる。

次に「腸管感染症」。通常の胃酸は先に言ったようにpH1~3の強酸。病原体も消化されてしまう。つまり腸にとっては強酸環境の胃袋は病原体の侵入を防ぐ高い城壁なのだ。長時間にわたって胃酸を抑えるということは……わかるよね。

「胸焼けは良くなっているようですが、お腹のカゼ、ひきやすいですね」ではなくってクスリの影響ってなことじゃ。蟻力神

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